ストリーマ研究所 空気のマメ知識
エアコンとアレルギー性鼻炎の関係とは?
原因と対策を紹介
「エアコンを運転するとくしゃみや鼻づまりがひどくなる」「風邪のような症状が一年中出ていて辛い」とお悩みではありませんか?その場合、アレルギー性鼻炎を発症しているかもしれません。
この記事では、エアコンとアレルギー性鼻炎にはどのような関係があるのかを解説します。併せて、原因に応じた対策法についても詳しくご紹介します。
アレルギー性鼻炎とは? どんな症状?
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー反応を起こす原因物質「アレルゲン」が鼻の粘膜から体内に侵入することで起こる疾患を指します。
季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」と、特定の季節のみに起こる「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類に分けられます。「エアコンを付けると症状が出る」「一年中悩まされている」などの場合は、通年性アレルギー性鼻炎である可能性が高いです。
それでは、アレルギー性鼻炎になると具体的にどのような症状が出るのでしょうか。
アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎の代表的な症状は以下の3つです。
- 発作的に連続するくしゃみ
- 透明でさらさらとした鼻水
- 鼻づまり
その他、目のかゆみや充血、皮膚のかゆみなど鼻以外の部位にも症状が出ることがあります。
アレルギー性鼻炎を風邪と間違える方は多いですが、症状の様子や発症期間が異なります。
アレルギー性鼻炎の症状は風邪よりも長期間続きます。また、朝方に症状が強く出やすいのも特徴です(モーニングアタック)。一方で、風邪はくしゃみや鼻づまりだけでなく、粘り気のある黄色い鼻水が出たり、せきやたん、発熱を伴ったりします。期間もアレルギー性鼻炎と比較すると短く、数日から1週間程度で治ることがほとんどです。
症状の重症度を詳しく知りたい方は「そのくしゃみや鼻水は「通年性アレルギー性鼻炎」かも? 花粉の季節に重なると、症状が悪化することも!」をご覧ください。
アレルギー性鼻炎は生産性も落ちる!?
27社を対象とした調査によると、仕事の生産性を最も下げる疾患はアレルギー性鼻炎だという結果が出ています。
順位 | 疾患 | 1年間に失われた生産性(一人あたりの賃金換算※) |
---|---|---|
1位 | アレルギー性鼻炎 | 593ドル |
2位 | 高度のストレス | 518ドル |
3位 | 偏頭痛 | 277ドル |
4位 | うつ | 273ドル |
5位 | リウマチ/関節炎 | 269ドル |
6位 | 不安障害 | 248ドル |
7位 | 気道感染症 | 181ドル |
8位 | 高血圧 | 105ドル |
9位 | 糖尿病 | 95ドル |
10位 | 喘息 | 85ドル |
- ※
- 1年間に上記疾患を理由に就業できなかった時間の総和×平均時間給/母集団数
参考:Lamb C.E. et al. Current Medical Research and Opinion; 22,2006
https://www.daikin-streamer.com/article/001.html
アレルギー性鼻炎の症状は「くしゃみ」「鼻づまり」など集中力を妨げるものが多く、完治までの期間も風邪と比較すると長めです。発症すると、仕事や学業へ悪影響をおよぼしてしまうでしょう。
原因は「カビ」や「ダニの死骸・フン」
アレルギー性鼻炎の原因として知られているものには、「カビ」や「ダニの死骸・フン」があります。これらの物質が体内に入ると、異物を排除しようとして身体が抗原抗体反応を起こします。抗原抗体反応とは、抗原をやっつけようとする体の反応のことで、アレルギー性鼻炎はこの抗原抗体反応がトリガーとなります。
それでは、アレルギー性鼻炎の原因となる2つの原因について詳しく見ていきましょう。
エアコンによるアレルギー性鼻炎の原因 ①カビ
エアコン内部にカビが生えると、運転した時に空気中に胞子や菌糸が飛散してアレルギー性鼻炎の原因となります。
室内は、お風呂場ほど温度や湿度が高くないため「どうしてエアコンにカビが生えるのだろうか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、その理由や詳しい対策について解説します。
なぜエアコンにカビが生えるのか
実はエアコン内部は、カビが繁殖しやすいといわれる3つの条件がそろっています。
- 温度20~25度
- 湿度65%以上
- ほこりや汚れがある
夏場のエアコン設定温度を20~28度にしている方は多いでしょう。冷房は室内の空気を吸い込んだあと熱交換器で冷やし、冷たい空気を放出していますが、その温度差によってエアコン内部には結露が起きてしまいます。冷たい飲み物をしばらく放置していると、グラスの表面にたくさんの水滴が付くのと同じ原理です。エアコン内部に水が発生することで、湿度も上昇します。
さらに、エアコンに付着したほこりや汚れはカビのえさとなるため、3つの条件がそろってしまいどんどん繁殖していきます。日頃のメンテナンスが不足している場合、エアコンのフィルターやファンにカビがびっしり生えている可能性もあるのです。
エアコンを稼働させていると、エアコン内部は風通しがよくなるため結露も起きにくいのですが、エアコンを止めたあとに結露した水が残っている場合、カビが生えてしまいます。
「エアコンを付けるとほこりっぽい臭いがする」「吹き出し口から黒い点が見える」と感じたことはありませんか?その場合は、カビが生えている可能性が非常に高いです。すぐにカビ対策に取り掛かりましょう。
エアコンのカビ対策
エアコンのカビ対策はおもに以下の2つです。
- 使用後は送風運転または暖房を1~2時間付けておく
- エアコンの使い始めは窓を開けて換気を行なう
エアコンの使用後に送風運転または暖房を付けることで、エアコン内部の水が蒸発します。これにより湿度が低下し、カビの繁殖を抑えられるのです。定期的に行なうのが望ましいですが、しばらくの間エアコンを使わないのであれば、送風運転または暖房を付けてから電源を切りましょう。
暖房を最初に使うときには窓を開けて換気するよう心がけましょう。エアコン内部に溜まっているカビなどの有害物質を屋外へ出せるからです。
また、フィルターを掃除したり、吹き出し口やルーバーに付着したカビを拭き取ったりすることも有効です。「温度」「湿度」「ほこりや汚れ」の3つの条件に注目して、カビ対策を行なってください。
「それでもエアコン内部のカビが気になる」という方もいるでしょう。その場合には、ストリーマを搭載した製品を使うのがおすすめです。
ストリーマとは、放出された高速電子でカビやアレルギー物質などを分解し、空気をきれいにしてくれる機能です。
エアコンによるアレルギー性鼻炎の原因 ②ダニの死骸・フン
エアコンの運転によって空気中に拡散されるダニの死骸・フンもアレルギー性鼻炎の原因となります。ダニといえばソファや布団といった繊維類との関係性を思い浮かべますが、実はエアコンもダニの死骸・フンの拡散に関連します。さっそく、ダニの性質や対策について詳しく見ていきましょう。
生きているダニはアレルギー性鼻炎の原因にならない
生きているダニは直接的にはアレルギー性鼻炎の原因にはなりません。原因になるのはダニの死骸やフンです。生きているダニは布団やソファなどの繊維に爪でしがみついているため簡単には取れず、空気中に舞い上がることもありません。
ダニはカビと同じように、高温多湿な環境を好みます。そのため、夏頃に繁殖して次第に死骸やフンが室内にたまります。「暖房を付ける季節になるとくしゃみや鼻づまりがひどくなる」という方は、その死骸やフンがアレルギー性鼻炎の原因となっている可能性が高いです。
室内にたまったダニの死骸やフンは時間が経つと乾燥します。その上を人が歩くことで、さらに小さくバラバラになります。
小さくなったダニの死骸やフンはホコリにくっつき、エアコンの運転などで空気中に浮遊します。そうして浮遊したダニの死骸やフンなどが、アレルギー症状の原因となるのです。
ダニの対策
ダニの死骸やフン対策としては、掃除機をこまめにかけることが重要です。ダニを除去することで、エアコンの運転によるダニの死骸・フンの拡散防止につながります。
ダニが繁殖しやすい場所を中心に掃除機をかければ、ダニの死骸やフンはもちろん、えさとなるほこりやカビまで吸い取ることができます。その際、勢いよく掃除機をかけると空気中に舞い上がってしまうため、1平方メートルあたり20~30秒を目安にゆっくりとかけましょう。
また、生きているダニにも対策が必要です。生きているダニは熱に弱いため、布団などのダニ対策では乾燥機を使ってダニを死滅させてから、ゆっくり掃除機をかけてください。
ダニ対策を手軽に行ないたいなら、空気清浄機を活用するのもおすすめです。
詳しくは「空気清浄機はダニに効果あり?アレルギー対策でできることとは」の記事をご覧ください。
エアコンを使用する前と後はこまめな掃除・換気でアレルギー性鼻炎対策を!
エアコンによるアレルギー性鼻炎の原因は「カビ」や「ダニの死骸・フン」が考えられます。
カビはエアコン内部に発生しやすいため、温度・湿度・ほこりや汚れの3点に注意して、エアコンを使用する前と後の対策をしっかりと行いましょう。また、ダニの死骸・フンはエアコンによって拡散されてしまう前に、掃除機や空気清浄機を活用して除去することが大切です。
「しっかり対策をしてもエアコンからほこりっぽい臭いがする」場合は、プロにエアコン洗浄を依頼するのもおすすめです。内部の汚れやカビをすみずみまで除去してくれますので、アレルギー性鼻炎などの症状に悩む方はぜひ検討してみてください。