ストリーマ研究所 空気のマメ知識
空気清浄機はダニに効果あり?
アレルギー対策でできることとは
今回は、空気清浄機でダニ対策を行う際に重要なポイントと、アレルギーの原因について解説していきます。加えて、空気清浄機以外でできるダニ対策もご紹介します。空気清浄機に関するポイントと併せて、自宅の環境改善にぜひお役立てください。
アレルギー性鼻炎の原因はダニの「死骸」や「フン」
アレルギー性鼻炎の原因「アレルゲン」の1つとなるダニ。ダニはクモに近しい節足動物で、頭部・胸部・腹部が一体となっています。アレルギーとしてよく名前が挙げられるのは「ヤケヒョウヒダニ」と「コナヒョウヒダニ」の2種類です。
ダニは部屋中に生息していて、ソファやカーテンなどに生息しています。
実は、生きているダニは空気中に浮遊することがないため、アレルギーとはあまり関係がありません。身体にアレルギー症状が起きる原因は、ダニの死骸やフンなのです。
空気清浄機はダニの「死骸」や「フン」を取り除く
部屋のソファなどに残ったダニの死骸やフンは、人が歩くことなどによって細かく砕かれ、ホコリにくっついて浮遊します。この空気中に浮遊したダニの死骸・フンがアレルギーの原因となるのです。
こうした空気中に浮遊するダニの死骸・フンの除去に活躍するのが空気清浄機です。空気清浄機はダニの死骸やフン、ハウスダスト、花粉などさまざまなアレル物質を吸い込むことができ、アレルギー対策に大きな効果を発揮します。
また、生きているダニの除去もアレルギー対策において重要となります。前述の通り、生きているダニ自体がアレルギーの直接的な原因となることはありませんが、死骸となった時に原因になるため注意が必要です。こまめに掃除機をかけて生きているダニの数を減らすなど、日頃から対策を行なうようにしましょう。
ハウスダスト
ダニの死骸やフンは「ハウスダスト」の1つで、アレルギー性鼻炎の原因物質です。
ハウスダストは小さなほこりの中に、ダニの死骸やフン、カビ、花粉、繊維のクズ、フケ、ペットの毛などが含まれたものです。これを吸い込むと、アレルギー性鼻炎を引き起こす可能性があります。
空気清浄機でダニ対策をする際のポイント
ここからは、空気清浄機を使ったダニ対策で押さえておきたいポイントをご紹介します。ダニアレルギーの症状を少しでも抑えたい方はぜひご覧ください。
適用畳数(吸引力)
製品にはそれぞれ適用畳数があり、適用畳数が大きいほど吸引力も高くなります。適用畳数とは、30分で空気をきれいにできる部屋の広さのことです。
例えば31畳の適用畳数である空気清浄機の場合、8畳の部屋で使用すると9分、10畳の部屋で使用すると11分で空気をきれいにできます。部屋の面積に適した空気清浄機を選ぶのが基本ですが、素早く空気をきれいにしたいのなら、部屋の広さよりも大きい適用畳数の製品がおすすめです。
ちなみに加湿機能が付いている製品は、加湿機能と空気清浄機能を併用する場合に適用畳数が変化する場合があります。購入時には、使いたい機能の適用畳数を確認するようにしましょう。
フィルター性能
空気清浄機は必ずフィルターが付いているものを選びましょう。フィルターは、空気清浄機が吸い込んだハウスダストなどをキャッチする役割があります。
なかでも「HEPAフィルター」と呼ばれる高性能フィルターを備えた空気清浄機は、微粒子サイズのホコリなども除去することができます。細かなダニの死骸をはじめとしたハウスダストも除去してくれるHEPAフィルターは、空気清浄機を検討する際の重要ポイントのひとつです。空気清浄機でアレルギー対策をしたい方は、価格や機能と併せて、フィルターの種類もチェックしてみましょう。
ストリーマ照射によってダニの死骸とフンも抑制
ここからは、空気清浄機に搭載されているストリーマ技術について紹介します。
【注意】紹介する内容は実機・実空間での実証結果ではありません
ストリーマとは、高速電子を広範囲に発生させて有害物質を分解するダイキン工業独自の技術です。実験では、ストリーマによってダニの死骸やフン、花粉によるアレルギーを起こす強さを低減することが分かりました。
実験は、通年性アレルギーの代表的な原因であるダニにストリーマ照射を行ないました。その結果、48時間後にはアレルギー症状を起こす強さを99%以上抑制することが実証されました。
また、ダニの死骸と、季節性アレルギーの代表的な原因であるスギ花粉に対して、同時にストリーマ照射を行なったところ、同じく48時間後にはアレルギー症状を起こす強さを99%以上抑制することが実証されました。
空気清浄機以外でできるダニ対策 - アレルギーを抑えるためには
ここからは空気清浄機と併用して行いたいダニ対策をご紹介します。
家の中の湿度を50%以下に保つ
ダニは湿度70%以上の環境を好み、夏頃になると繁殖します。反対に、湿度50%以下になると動かなくなり、さらに湿度が下がると身体の水分が蒸発して死滅します。つまり、家の中の湿度を50%以下に保つとダニの繁殖を防げるだけでなく、ダニにとって住みにくい環境を作れるのです。
あわせて窓を開けて換気する、こまめに布団を干すなど、室内に湿気がたまらないような行動を心がけましょう。
ただし、夏場や梅雨の時期はどうしても湿度が高くなりやすく、窓を開けると逆効果になる場合があります。多湿になりがちな季節は、エアコンの除湿機能などを活用して湿度を下げることが重要です。
布団などは乾燥機にかける
ダニは50度以上の熱を20~30分与え続けると死滅します。そのため、布団などは乾燥機にかけ、全体を高温で乾燥させるのが効果的です。
「布団を天日干しすると温度が上がってダニを死滅させられるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、天日干しでは日光があたる面のみ温度が上がり、中綿に潜むダニは温度の低い裏面へと逃げてしまいます。布団を乾燥させることはできますが、ダニを完全に死滅させられません。
一方、乾燥機は布団全体に熱が広がりダニの逃げ場がなくなるため、天日干しと比べて高い効果が期待できます。
また、洗濯乾燥機では布団のほこりなどをフィルターがキャッチしてくれるため、ダニの死骸やフンも除去できます。
掃除機で掃除する
ダニの死骸やフンの数を少しでも減らしたいのであれば、こまめに掃除機をかけることが重要です。ダニの死骸やフンは非常に軽く、風が吹いたり人が動いたりするだけでも空気中に舞い上がるため、死骸やフンの浮遊が比較的少ない、起床後や帰宅後といったタイミングで掃除をするのがおすすめです。
さらに、床をモップなどで拭いてから掃除機をかけると、排気でダニやほこりが空気中に舞い上がるのを抑えられます。掃除機は、1平方メートルあたり20~30秒ほどかけてゆっくり行ないましょう。
掃除機を直接布団にかけることも有効です。頭部や縫い目など、細かいところまで行なうことで、ダニのえさとなる人のアカやフケも除去できます。
ダニなどによるアレルギーは空気清浄機で対策しよう!
ダニの死骸やフンはアレルギー性鼻炎の原因「アレルゲン」の1つです。ダニが住みにくいような環境作りを心がけ、こまめに掃除をしてダニの除去を心がけましょう。
また、ダニによるアレルギー対策としては、空気清浄機の使用は有効です。ただし、どのような空気清浄機でも良いわけではありません。購入時には適用畳数やフィルターの性能などをしっかり確認するようにしましょう。