ストリーマ研究所 空気のマメ知識 そのくしゃみや鼻水は「通年性アレルギー性鼻炎」かも? 花粉の季節に重なると、症状が悪化することも!

1年を通してあらわれる「通年性アレルギー性鼻炎」、その原因は?

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が、1年を通してあらわれる「通年性アレルギー性鼻炎」。その主な原因は、ダニのフン・死骸です。室内のダニは、カビやホコリといった家の中に常にあるハウスダストをエサとするため、1年を通じてアレルギー症状があらわれやすくなってしまうのです。

また、「通年性アレルギー性鼻炎」は、花粉症に代表される「季節性アレルギー性鼻炎」ほど存在が知られていないため、発症を自覚していない人が多くいます。ある調査によると、季節性の患者は68%の人が症状の重さを自覚しているのに対し、通年性の患者は半数以上の人が「慣れてしまって普段は気にしていない」と答えています^※。鼻の不調が日常化すると、自分がアレルギー反応を起こしていることにすら気づかなくなってしまうのです。

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通年性・季節性アレルギー性鼻炎患者の意識・実態調査結果より

通年性アレルギーは、仕事や勉強の意欲も低下させる?

本人が自覚していないことよりも、さらに問題なのは、仕事の生産性や勉強の能率を下げてしまうこと。ストレスや偏頭痛など、意欲を低下させる原因はさまざまですが、最も生産性を低下させる症状は「アレルギー性鼻炎」だというデータが出ています。とくに通年性アレルギーの場合は、1年を通じて生産性を下げてしまうおそれがあるため、働く本人にとっても、雇用する企業にとっても大きな損失になってしまいます。

また、10代の通年性アレルギー性鼻炎患者のうち、実に63%の人が「重症度を自覚している」というデータ^※もあり、「集中できない」「ぼんやりしている」といった状態が続くのは、勉強の機会が多い10代にとっては見過ごせない問題です。

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鼻アレルギー診療ガイドライン—通年性鼻炎と花粉症—2016年版(改訂第8版)に基づく通年性・季節性アレルギー性鼻炎患者の重症度(スクリーニング調査から)

通年性と季節性アレルギーが重なると……

さらに注意すべき点は、通年性アレルギー性鼻炎の人が、季節性アレルギーの原因である花粉などにさらされると、症状が悪化する可能性もあるということです。鼻づまりがひどくなった結果、口呼吸に頼ることで喉の粘膜が乾燥し、アレルギーの原因物質がさらに体内に侵入しやすくなる、という悪循環も起こりえます。

また、今は症状が出ていない人でも、季節性アレルギーをきっかけに、通年性アレルギーを発症するケースもあります。通年性、季節性を問わず、将来症状があらわれる可能性のある潜在患者は国内で約40%にのぼり、すでに症状が現れている顕在患者と合わせると、約65%の日本人がアレルギー性鼻炎に悩まされている可能性があるのです。

季節を問わず鼻水が出る、くしゃみが止まらないという場合は、通年性アレルギー性鼻炎の可能性を疑い、早めに医療機関を受診するようにしましょう。通年性アレルギーの原因であるダニ・カビ、さらに花粉を家から追い出す生活環境の改善も重要になります。

対策は、ダニを減らして花粉を持ち込まない!

ダニを減らすためには、まずダニが好む環境を作らないことが重要です。ダニとその主なエサであるカビは湿度の高い環境を好むため、家の中の湿度を60%以下にし、常にクリーンな空気を保つようにしましょう。天気のいい日は、押し入れやクローゼットを開けて、よく換気するようにしてください。

湿気のたまりがちな寝具は、とくに注意が必要です。晴れた日はできるだけ布団を天日干しにし、その後に掃除機をかけるとより効果的です。防ダニのシーツや布団カバーの使用も有効です。

こまめに家の掃除をし、花粉の多い季節はとくに念入りに掃除しましょう。そして、花粉を家の中に持ち込まないためにも、室内に入る前には服や髪に付いた花粉を払い落とす習慣をつけるようにしてください。