ストリーマ研究所 空気のマメ知識 通年性アレルギーの原因はハウスダスト?ハウスダストの対処方法をご紹介
通年性アレルギーの原因は主にハウスダストです。アレルギーの症状は様々ですが、季節に関係なく鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が続きます。
この記事では、ハウスダストとは何か?そしてその対処方法について解説します。ハウスダストが発端となり引き起こされる病気は何か、どのような症状が出るのかについても解説します。
ハウスダストとは
そもそもハウスダストとは、室内にある1mm以下のほこりやちりの中に以下の物質が含まれたものを指します。
- ダニの死骸やフン
- カビ
- 衣類の繊維クズ
- 人のアカやフケ など
ダニは、湿度75%程度、室温20~30度の高温多湿な環境を好みます。家の中では食事の食べカスやフケなどをえさとし、布団やじゅうたん、畳などを中心に潜んでいます。生きたダニはアレルゲンではありませんが、その死骸やフンがアレルゲンとなります。
カビもダニと同じように高温多湿な環境を好みます。カビはエアコン内部でも繁殖しやすく、こまめな掃除を行なわなければエアコンを運転した時にカビを放出してしまうため、注意が必要です。
ハウスダストは洗面所にも多く分布しています。洗面所はタオルなどの布製品も多いため繊維クズがたまりやすく、人のアカやフケもたまってしまう傾向にあるからです。
ハウスダストが引き起こす病気・症状
前述の通り、ハウスダストはダニの死骸やフン、カビなどを含んだホコリやちりのことです。これらの異物が体内に入り粘膜に付着すると、身体は排除しようと免疫反応を起こします。その結果、アレルギー症状や喘息などの病気が引き起こされるのです。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、ダニの死骸やフン、カビなどのアレル物質が体内に侵入し鼻の粘膜に炎症を起こすことで発症する病気です。おもな症状は発作のようなくしゃみ、さらさらとした鼻水、鼻づまりです。そのほか、目にかゆみが生じたり、違和感を覚えたりすることもあります。
症状が風邪と少し似ていますが、風邪の場合は粘り気のある黄色い鼻水が出たり、喉の痛みを感じたりします。また風邪は7~10日ほどで症状がおさまることが多いため、見分けるときの目安として覚えておきましょう。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、アレル物質が結膜に付着することで起こります。結膜とは、まぶたの裏側と白目の表面をおおっている粘膜を指します。目は常に空気に触れているため異物が入りやすく、アレルギー反応を起こしやすいのです。
おもな症状は、涙目や強いかゆみ、目の充血です。目がかゆいからといってこすってしまうと、痛みを感じたり、ゴロゴロしたりします。さらに悪化すると目が腫れる、白目がむくんで水がたまっているような状態になることもあります。
程度は人によって異なりますが、両目ともに症状が出るのが特徴です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、長期間続くことが多い病気です。アレルギーを起こしやすい体質の人、皮膚のバリア機能が低下している人によく見られます。
アトピー性皮膚炎の症状は、強いかゆみを伴う湿疹です。皮膚が赤く腫れる、じくじくとした赤い湿疹が出る、かくことによって皮膚が厚くなるなどの場合もあります。
乳幼児期に発症する人が多く、思春期から成人期では重症化したり、慢性化したりする傾向があるとされています。また、子どものときから症状が続いている人もいれば、大人になって初めて発症する人もいるため、いつ発症するかは一概にいいきれません。
また、年齢によって症状が変化するのも特徴です。乳幼児期は頭や顔に、幼児期になると手足の関節あたりに多く見られます。そして思春期からは顔や胸、背中など、上半身に症状が出やすくなります。
気管支喘息
気管支喘息は、空気の通り道となる気管支に炎症が起きる病気です。刺激の要因となる物質を吸い込むと粘膜が腫れて気管支が狭くなり、息苦しさを感じます。そのほかにも、痰が出たり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」のような呼吸音がしたりします。
気管支喘息が重症化すると、呼吸困難になって命にかかわる危険性もあります。夜中から明け方にかけて発作が起きることが多いため、症状が出たら早めに病院を受診してください。
小児の場合は、2~3歳になるまでに60~70%が発症するといわれ、思春期までに治癒する人、そのまま大人になっても症状が続く人、一度症状が治まったものの再発する人もいるようです。
大人の気管支喘息は、成人後に再発するタイプと、成人して初めて気管支喘息になるタイプがあり、子どもよりも重症化しやすい傾向があります。
風邪をひいたときの咳や、息苦しさなどがしばらく続いた場合は、気管支喘息の可能性があるので、早めに呼吸器内科の受診を検討してください。
ハウスダストの対処方法
ハウスダストのおもな対処方法は以下の3つです。
- こまめに掃除する
- 定期的に換気する
- 空気清浄機を活用する
以下で具体的に示します。
こまめに掃除する
ハウスダスト対策でまず重要となるのは掃除です。床に溜まっているハウスダストを除去し、身体に入りこむ量を減らすことが最低限必要になります。
床掃除は、朝一番に行なうのがおすすめです。ハウスダストは非常に軽く、人が歩くだけでも舞い上がってしまいます。しかし、静かな状態が続くと床へゆっくりと落ちていきます。朝起きてすぐに掃除することで、効率的にハウスダストを集められるのです。
掃除のポイントは、上から始め、徐々に下に範囲を移していくことです。ハウスダストは部屋中に存在しているため、家具の上などにあるハウスダストをハンディモップなどで吸着させたあとに拭き掃除をするようにしましょう。
その後、床の掃除に移ります。このとき、フローリングモップを使ったあとに掃除機をかけることが大切です。最初に掃除機をかけると、排気によってハウスダストが舞い上がってしまいます。同じ理由で、フローリングモップを使う際も窓を開けたりエアコンを付けたりしないよう気を付けましょう。
定期的に換気する
定期的な換気を行なうことには、以下の2つのメリットがあります。
- 室内のハウスダストを外へ排出できる
- 湿度を下げられる
窓を開けて換気することで、室内にたまったハウスダストを外へ排出し、新鮮な空気を取り入れられます。換気するときは少なくとも2箇所の窓を開けてください。空気の通り道を作ることによって効率的に換気できます。
また、空気がこもって湿度が上がると、カビが繁殖しやすくなります。定期的な換気で湿度を下げることも、ハウスダスト対策として重要です。
空気清浄機を活用する
ほとんどの空気清浄機には集じんフィルターが付いています。この集じんフィルターが空気中のハウスダストを除去します。掃除中に舞ってしまったほこりなどを除去してくれるため、空気清浄機の設置をおすすめします。
空気清浄機のなかでも、「HEPAフィルター」を搭載しているタイプは、0.3μmの粒子を99.97%以上除去できます。目に見えないほどの小さなホコリも気になる方は、HEPAフィルター搭載の空気清浄機を選択すると良いでしょう。
まとめ
ハウスダストが引き起こす病気や症状は多岐にわたります。
ハウスダストを除去するには、こまめな掃除や、定期的な換気が大切です。床や棚の上にあるハウスダストの量を減らすことで、体内に取り込まれるハウスダストの量を減らすよう心がけましょう。また、空気清浄機を活用して、空気中に舞っているハウスダストを効率的に除去すると良いでしょう。