ストリーマ研究所 空気のマメ知識
エアコンの掃除方法について解説!
お手入れ時の注意点とは?
「エアコンの汚れが気になる」「どうやって掃除すればいいのかわからない」とお困りではありませんか?
「エアコンの掃除は、適切な洗浄剤を使用して、正しい方法で行なわないと部品の破損や故障につながる可能性があります。長く使っていくためにも、適切な掃除方法を理解することが非常に重要です。
「今回は、自分でできるエアコンの掃除方法を解説します。お手入れの際にどこを注意すべきなのか、業者へ依頼したほうが良いのか、という点についても触れていますので、エアコン掃除をする際にはぜひご活用ください。
エアコンの掃除をしないとどうなる?
エアコン内部は、部屋の床やキッチンの流しなどと比較すると、掃除頻度が少ないと思います。なかには「夏期や冬期の始めにだけ掃除している」「掃除したことがない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エアコンを掃除しなかった場合、以下のようなデメリットが発生します。
- エアコン内部にカビが繁殖する
- 電気代が高くなる
- 冷暖房が効きにくくなる
- エアコンの寿命が短くなる
エアコンの吹き出し口に黒い点が付いているのを見たことはありませんか?その黒い点こそがカビです。
冷房を使う夏場のエアコン内部は、とくにカビが繁殖しやすい傾向にあります。冷房を使用すると、エアコン内部に結露などで水分が発生します。この状態で冷房運転を止めると、内部の水分がカビの繁殖を助長します。
内部にカビが発生している状態でエアコンを使用すると、カビを含んだ風が部屋中に拡散してしまいます。カビが含まれた風を吸い込むと、肺炎やアレルギーの原因にもなります。
「エアコンから嫌なにおいがする…」と感じる原因も、ほとんどがカビによるものです。
また、エアコンのフィルターは定期的に掃除しないとほこりが溜まり、風を送り出す抵抗になります。結果、無駄なエネルギーが必要になり消費電力が増加し、電気代が高くなってしまいます。設定した温度になるまでの時間もかかるため、その分も電気代がかかることになります。
その他にもフィルターにほこりが溜まると、吸い込む空気の量が減少しますので、その分吐き出す空気の量も減少し、冷暖房が効きにくくなってしまいます。
このような状態が続くとエアコン本体にも負担をかけてしまい、寿命の低下につながります。
エアコンの掃除方法
「エアコンを掃除しないとどうなるか」について確認したところで、実際にエアコンを掃除する方法について見ていきましょう。
ご家庭で掃除ができる箇所としては、エアコン内部に取り付けられている「フィルター」が挙げられます。
フィルターを掃除する際には、以下の手順で行ないましょう。
- 1.前面パネルを開ける
- 2.フィルターを取り外す
- 3.掃除機でほこりを吸い取る
- 4.汚れがひどい場合は中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗う
- 5.タオルや布で拭いて、日陰でよく乾かす
開閉時に前面パネルの汚れが気になった際は、水や中性洗剤を含ませた布で拭きましょう。
フィルターを掃除する際に掃除機を使用する場合、エアフィルターの表面(前面パネルを開けたときに見えるほう)から掃除すると、効率的にほこりを除去できます。一方、フィルターを水洗いするときは裏面(熱交換器に接触しているほう)から行なうのがおすすめです。
エアコン上部のほこりや汚れを落としたい場合は乾拭きするようにしましょう。水拭きしてしまうと故障の原因になる場合もあるので注意が必要です。
なかには「吹き出し口の汚れやカビが気になる」という方もいるかもしれません。その場合は、割り箸にキッチンペーパーを巻きつけたものをお湯で湿らせて使うと良いでしょう。
ただし、吹き出し口にカビが発生している場合は、エアコン内部にまで広くカビが繁殖していることも考えられます。エアコン内部は、ご家庭で掃除をすると故障の原因にもなるため、クリーニング専門業者や販売店などのプロに依頼することをおすすめします。
また、エアコンの掃除の際に、市販のエアコン洗浄スプレーを使うのはおすすめできません。正しく使わないと発火する危険性があるほか、洗浄液が内部に残るとかえってカビが繁殖してしまうことがあるからです。
お使いの機種によっては、フィルターだけでなく自動清掃によって出たほこりを溜めておく「ダストボックス」のお手入れも必要です。掃除方法や部品の取り外し方は機種によって異なるため、詳しくはこちらのページをご覧ください。フィルターや前面パネルについての掃除方法も詳しく掲載しています。
エアコンを掃除する際の注意点
エアコン内部の掃除の仕方について解説してきましたが、掃除をする際には注意しておくべきポイントがあります。
ここからは、安全に掃除を行なうために心がけたい4つのポイントについて解説していきます。
作業前に電源プラグをコンセントから抜く
作業前は、運転を停止したうえで電源を切り、電源プラグを抜いてエアコンが作動しない状態にしましょう。誤作動を起こして感電やケガ、本体が破損する恐れがあります。電源プラグが抜けない場合は、エアコンの電源を切り、ブレーカーを落としてから作業を開始してください。
安定した足場を用意する
エアコンは天井付近に設置されていることがほとんどです。掃除をする際には脚立や椅子を使っての高所作業となるため、安定した足場を用意しましょう。不安定な足場で作業していると、転倒してケガをする可能性があります。
掃除の前には「脚立や椅子を押したときにぐらつかないか」「すべての脚が床に接しているか」などの確認も必要です。
磨き粉やクレンザー・漂白剤・40度以上の湯を使用しない
磨き粉やクレンザー・漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)・40度以上の湯を使用すると、エアコンの部品が変形したり、傷がついたりする恐れがあります。こびりついた汚れがあったとしても、これらは使わないようにし、できる範囲で掃除をしましょう。
乾かす際にドライヤーを使用しない
フィルターは、ドライヤーで乾かしたり、直射日光をあてたりしないでください。熱によって高温になり、変形や破損などにつながる恐れがあります。
フィルターを乾燥させる際には、風通しの良い場所に置いて自然乾燥させるようにしましょう。
エアコンの掃除頻度
エアコンをこまめに掃除すると、冷暖房の効率を損なうことなく使用できます。では、どのぐらいの頻度で掃除すれば、そのパフォーマンスを維持しやすくなるのでしょうか。ここからは、エアコンの掃除頻度について解説します。
なお、エアコンの使用頻度や機種によって掃除のスパンは異なります。本項目では一般的な目安を紹介しています。
フィルターのお掃除頻度
エアコンのフィルターはほこりがたまりやすい部分です。ほこりが溜まっているフィルターを放置していると経済的にも身体的にも良くないため、こまめなお手入れが大切です。
経済産業省によると、掃除されているエアコン(月に1~2回の清掃)は、フィルターが目詰まりしているエアコンと比べ、年間で31.95kWhの省エネ、約860円の節約につながるそうです。
効率的な冷暖房運転を目指したい場合は、2週間に1回以上掃除するよう心がけましょう。
参考:無理のない省エネ節約
ちなみに、エアコン内部に溜まったほこりやカビを掃除するにはエアコンを分解する必要があります。
エアコンを自分で分解して掃除とすると、エアコンの故障につながる恐れがあります。分解には専門的な知識や道具も必要になりますので、クリーニング専門業者へ依頼するのがおすすめです。
エアコンをあまり使用しない時期のクリーニングがおすすめ
エアコンクリーニングを依頼するタイミングは「4~5月」「10~11月」あたりがおすすめです。比較的予約が取りやすく、エアコンをあまり使用しない時期に依頼することで、本格的にエアコンを稼働する夏場や冬場を快適に過ごしやすくなります。
ダイキン工業でもエアコンクリーニングを行なっています。「エアコンのにおいや汚れが気になる」「エアコンの内部までしっかり掃除したい」という方は、こちらのページをご覧ください。目安となる料金について掲載しています。
まとめ
エアコンを掃除しないまま放置していると、ほこりやカビがたまり、電気代が高くなったり、冷暖房が効きにくくなったりします。また、エアコンの寿命が短くなったり、身体に悪影響をおよぼしたりする可能性もあります。
ご家庭では、おもにフィルターと前面パネルの2つを掃除しましょう。その際は、安定した足場を用意し、作業前に電源プラグを抜くことを忘れないでください。
エアコン内部の掃除は、専門的な知識や道具が必要になるため、クリーニング専門業者へ依頼するようにしましょう。ご自身での清掃は、エアコンの故障につながる可能性もあり、おすすめできません。
エアコンを適切な方法でこまめに掃除し、快適な空気の中で過ごしましょう。