ストリーマ研究所 空気のマメ知識
エアコンにカビが生える!
自分でできる掃除法やカビ対策を解説
エアコンから出る風のニオイが気になる場合、その原因の1つとしてカビが考えられます。エアコンは湿度が高くカビが繁殖しやすい環境になっているため、きちんとお手入れしないとカビが繁殖してしまいます。
エアコンから出るニオイの正体は?
エアコンから出るニオイの原因は、カビが考えられます。
カビは、酸素、水分、栄養素の3つが揃うことによって繁殖します。実は、エアコン内部はカビに必要な水分や栄養素が豊富に存在し、カビがとても繁殖しやすい環境なのです。
エアコン内部で繁殖したカビをそのまま放置しておくと、ニオイがますますひどくなり、吸い込んでしまうとアレルギーの原因にもなりえます。
ニオイの原因菌
カビ以外にもニオイの原因になる菌があります。主なニオイの原因となる菌は以下の3つです。
バチルス | 枯草菌の一種であり、生育力の強い微生物。 |
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セラチア | 大腸菌などに近い細菌。免疫力の弱い人や高齢者が感染すると、肺炎や敗血症などを引き起こすことがある。 |
アースロバクター | 土壌細菌の一種。バチルス、セラチアと同様にホコリやゴミ、カビなどを栄養源として繁殖する。 |
これらの菌がエアコン内部に繁殖すると、ニオイが発生します。そのため、カビ対策と併せて、これらの菌の繁殖対策も大切となります。
自動掃除機能がついていれば大丈夫?
エアコンの自動掃除機能は、定期的にエアコンのフィルターに付いたホコリを掃除する仕組みです。つまりカビ掃除はできないため、自動掃除機能には期待できません。
エアコンにカビができる原因
カビの繁殖には酸素、水分、栄養素の3つが関係しており、エアコンにはそれらが豊富に存在することをお話ししました。
冷房運転中の室内機は水分がいっぱい
冷房を使っていると、室内機には熱交換器の結露による水分が付着します。エアコンをずっと運転していれば空気が循環しているためカビは生えにくいものの、運転しなくなると湿気がこもり、カビが繁殖しやすくなります。
エアコン内部のホコリや汚れがエサになる
カビが繁殖するのに必要な、酸素、水分、栄養素のうち、栄養素にはエアコン内部のホコリや汚れが該当します。油脂、たんぱく質、炭水化物などの成分が含まれたホコリは、カビのエサとなってしまいます。
エアコンのカビを掃除しよう!
エアコン内部に水分と栄養素がそろってしまうと、カビは繁殖しやすくなります。カビ対策を考える際には、結露などエアコン内部の水分をなくすこと、ホコリなどのエサを取り除くことが重要です。
結露を防いでカビの繁殖を抑えるには、エアコンを使わなくなる秋口ごろに、送風運転や暖房を1~2時間程度かけて内部の水を蒸発させておくことが重要です。また、エアコンを使い始めるタイミングには、エアコンを運転しながら換気して、中にたまっているカビの胞子などを外に出すようにしましょう。
ホコリなどのエサを取り除くには、パーツごとに掃除をすることが大切です。エアコンにはさまざまなパーツがありますので、ここではパーツごとの掃除方法を解説していきます。
プレフィルター
プレフィルターとはエアコンの室内機の中にホコリが入ることを防ぐものです。
自動掃除機能がついている場合、基本的にプレフィルターの掃除は不要ですが、ダストボックスを掃除する必要はあります。
(どうしても気になる場合は、プレフィルターを取り外して掃除することは可能です)
一方で自動掃除機能がない場合、約2週間に一度程度掃除してください。
プレフィルターの掃除方法はこちらをご確認ください。
https://n-faq.daikincc.com/faq/show/12408?site_domain=n-faq
ダストボックス
ダストボックスとは、自動掃除機能で集めたホコリをためておく場所です。エアコン本体から掃除時期を知らせるサインが出たら、たまったホコリを捨てて汚れがあれば掃除もおこないましょう。
ダストボックスの掃除方法はこちらをご確認ください。
https://n-faq.daikincc.com/faq/show/14176?site_domain=n-faq
前面パネル
エアコン本体前面のパネルです。水や液体中性洗剤を使って拭くことが可能です。また、取り外して掃除することもできます。
前面パネルの掃除については、こちらのページの「前面パネル」の項目も併せてご確認ください。
https://n-faq.daikincc.com/faq/show/10783?site_domain=n-faq
熱交換器
エアコン本体からプレフィルターを外すと現れるアルミフィンの部分です。ここは専門的な知識を持つスタッフによる掃除が必要なため、エアコンを購入した販売店もしくはメーカーまでお問い合わせください。
吹き出し口ルーバー
エアコンの風が出る場所です。こちらも掃除にあたっては専門的な知識が必要となる部分になりますので、販売店もしくはメーカーまでお問い合わせください。
熱交換器や吹き出し口ルーバーの掃除をご希望の方は、エアコンクリーニングのサービスに依頼することをおすすめします。
https://n-faq.daikincc.com/faq/show/11056?site_domain=n-faq
このように、各部品単位で掃除できるもの、できないものがあり、掃除方法には基本的なやり方があります。お手入れをする際はしっかり確認したうえで行ってください。
ご自身で掃除するだけでは不安であるとお考えの場合、エアコンに精通したプロに依頼することをおすすめします。
市販のエアコンスプレーを使用するとエアコン本体が故障してしまう可能性があるほか、結露水を排出する部品が詰まる可能性が高いのでおすすめできません。
エアコン内のカビは熱交換器の裏側やドレンパン内など、一般の方があまり触れられないところにも付着しています。エアコン全体の掃除をしたいとお考えの方は、ダイキン工業のエアコンクリーニングサービスにお問い合わせください。
https://n-faq.daikincc.com/faq/show/11056?site_domain=n-faq
エアコン内部のカビは定期的な掃除と換気で対策しましょう
酸素、水分、栄養素の3つがそろうとカビが繁殖しやすい環境になります。エアコン内部は結露による水分が多く、栄養素を含んだホコリも溜まりやすいため、カビが繁殖しやすい箇所です。エアコンのカビは、定期的な掃除や送風運転による換気、暖房による乾燥などを行なうことである程度対策できます。
それでも発生してしまったカビを取り除くためには、パーツごとの掃除を行う必要がありますが、一部のパーツは自身で掃除するとエアコンの故障につながる可能性があります。ご自宅のエアコンを掃除する際には、ここで解説した内容を参考に、パーツごとに適切な対応をしてください。