ストリーマ研究所 空気のマメ知識 花粉対策で空気清浄機を選ぶ際に確認すべきポイント
今回は、花粉対策に効果を発揮する空気清浄機を選ぶポイントを解説します。また、空気清浄機に頼らない花粉対策もご紹介しています。花粉症に悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。
花粉対策で空気清浄機を選ぶ際のポイント
花粉対策で空気清浄機を選ぶ場合は、花粉を「漏れなく・素早く・確実に」除去できるものを選びましょう。具体的なチェックポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
- 集じんフィルターの性能や種類(漏れなく)
- 透適用畳数(素早く)
- センサー機能(確実に)
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
集じんフィルターの性能や種類
集じんフィルターとは、空気清浄機が吸い込んだ汚れた空気をきれいにするフィルターのことです。花粉やハウスダスト、ニオイ、菌・ウイルスなどをキャッチして、空気中のさまざまな有害物質を除去してくれます。
空気中に存在する有害物質の中でもスギ花粉の粒径は30~40μm、ハウスダストは約0.1~40μm、黄砂は約4μmであり、なかには肉眼で見えるものもあります。(1μm=0.001mm)
一方、ニオイの粒子は約0.001~0.02μm、ウイルスは約0.02~0.8μmで、肉眼では見ることができないほど小さな有害物質です。
多くの空気清浄機に搭載されているHEPAフィルターは、非常に目が細かく、粒径0.3μmの粒子を99.97%以上除去可能です。そのため花粉はもちろん、ハウスダストや黄砂の大部分をしっかりキャッチできます。
しかし、ニオイの粒子やウイルスはすり抜けてしまうものもあるため、集じんフィルターだけでは十分と言えません。
ダイキン工業が独自に開発したTAFUフィルターは、HEPAフィルターと同等の性能を持っているだけでなく、使用開始から10年経っても72%の集じん効率を維持できることがわかっています。
- ※
- 日本電機工業会規格JEM1467に基づく試験方法により算出。電機工業会基準はタバコを1日5本以上に設定。タバコの有害物質(一酸化炭素等)は除去できません。使用状況により、寿命が短くなることがあります。
引用:https://www.daikinaircon.com/ca/hg/index.html
高性能な集じんフィルターを搭載している空気清浄機を選ぶことで、より多くの花粉を除去が期待できるでしょう。
適用畳数
空気清浄機の適用畳数は、使用する部屋より2~3倍大きいものを選びましょう。
適用畳数とは、30分で空気をきれいにできる部屋の広さを表します。適用床面積とも呼ばれ、大きければ大きいほど清浄能力が高くなります。例えば、適用畳数が25畳の空気清浄機の場合、6畳の部屋は9分、10畳の部屋は14分で空気を清浄できるのです。
帰宅後や窓の開け閉めを行なったあとは、特に室内に花粉が入ってこないか気になるものです。室内に入ってしまった花粉を少しでも早く除去したいのであれば、適用畳数がより大きいものを選ぶようにしましょう。
センサー機能
花粉を確実に除去するためには、小さな物質も取り逃さないセンサー機能が重要となります。
空気清浄機のなかには、小さなホコリや花粉を検知する「ホコリセンサー」や、生活臭を検知する「ニオイセンサー」が搭載されているものがあります。各種センサーがホコリやニオイを検知すると、ファンの回転数や風量などを制御してくれます。
感度は商品によって異なるものの、センサー機能が優れた空気清浄機があると、より快適な環境を維持できるでしょう。
空気清浄機に頼らない花粉対策
室内に漂う花粉は外部から入ってきたものがほとんどです。「花粉の症状を抑えるために空気清浄機を購入する」という方も多いと思いますが、もっとも重要なのは室内に花粉を持ち込まないことです。
玄関で花粉を落とす
家のなかでも玄関は特に花粉が侵入しやすい場所です。帰宅時にはしっかりとコートなどについた花粉を落とし、室内へ持ち込まないようにしましょう。
服やかばん、帽子に付着した花粉を落とす際には、軽く払う程度の強さがおすすめです。勢いよく払うと花粉が舞って目や鼻に入り、くしゃみなどの症状が出る可能性があるので注意しましょう。
また、粘着式ローラーやウェットシートで服の花粉を落としたり、上着を玄関で脱いで収納したりするのも、室内へ花粉を持ち込まないための方法として有効です。収納がない場合はハンガーラックや突っ張り棒を活用しましょう。
少し面倒に感じるかもしれませんが、帰宅したままの状態で室内へ入るより、花粉をある程度落としてから室内へ入るほうが花粉の侵入を防げます。ぜひ試してみてください。
手洗い・うがい・洗顔で花粉を体内に入れない
外出していると、どうしても手や顔に花粉が付きます。そのため帰宅時には手洗い・うがい・洗顔をして花粉を洗い流すことが大切です。新型コロナウイルスをはじめとした感染症や風邪対策の為にも必要なことなので是非、習慣化するようにしてください。
目・鼻を洗うときは0.9%の濃度に溶かした生理食塩水を使うのもおすすめです。ちなみに、洗う部位によって推奨される水温が異なります。鼻を洗う際には体温程度に温めたものを、目に使う際には少し冷やしたものを使用しましょう。
換気する時はレースカーテンを閉める
ウイルス対策として換気は重要です。しかし、花粉はあらゆる場所から室内へ侵入してしまいます。
換気をする場合は風の弱い日を選ぶか、レースカーテンを活用するのがおすすめです。3LDKのマンション1戸で行なった実験によると、窓を10cmほど開けてレースカーテンをしたとき、室内への流入花粉をおよそ4分の1に抑制できたという結果もあります。
参考:花粉症環境保健マニュアル2019-2019年12月改訂版-
室内に花粉がたまらないよう、掃除機でこまめに掃除することも覚えておきましょう。
洗濯物は部屋干しで
洗濯物は部屋干しが望ましいです。花粉はほとんどの時間で飛散しているため、外で干すと洗濯物に付着してしまいます。特にウール素材のものやセーターなどは凹凸が多いため、花粉が付着しやすいです。
時間帯別の飛散量は天気や地域によっても異なりますが、ピークは1日2回、11時~14時と、17時~19時といわれています。外に洗濯物を干す場合には、20時~翌朝10時頃までの時間帯にするとよいでしょう。
部屋干しする際は、生乾きが気になると思います。花粉対策ではありませんが、室内干しで洗濯物を早く乾かす方法をご紹介します。
- 両端に長いもの、中央に短いものを干してアーチ状にする(空気が通りやすくなって早く乾きやすい)
- 除湿機またはエアコンの除湿機能を使う
- エアコンの風が直接当たるように干す
花粉対策で空気清浄機を選ぶポイントのまとめ
花粉対策で空気清浄機を選ぶポイントをまとめます。
- 集じんフィルターの性能や種類(漏れなく)
- 適用畳数(素早く)
- センサー機能(確実に)
花粉は漏れなく・素早く・確実に。この3つのポイントを押さえて選びましょう。
花粉対策でもっとも重要なのは、室内に花粉を持ち込まないことです。玄関で花粉をなるべく落とし、手洗い・うがい・洗顔することを習慣化してみてください。また、換気をする時はレースカーテンを閉めたり、洗濯物は部屋干ししたりすることでも効果が期待できますので、ぜひお試しください。