ストリーマ研究所 空気のマメ知識 インフルエンザ VS 空気清浄機!
チェックしたい空気清浄機の性能とは?

新型コロナウイルスは一時ほど騒がれなくなりましたが、寒い季節にあいかわらず猛威を振るうのが毎年流行するインフルエンザ。ウイルス対策として空気清浄機を導入する家庭も多いのですが、じつは空気清浄機によってはウイルス対策には向いていない製品もあります。インフルエンザ対策を考えた場合、空気清浄機を選ぶポイントとはどのようなものなのでしょうか?

インフルエンザ対策に向いた空気清浄機のポイント

インフルエンザの感染を防ぐにはどうする?

厚生労働省によると、インフルエンザの主な感染経路はふたつ。それが「接触感染」と「飛沫感染」です。接触感染とは、インフルエンザに感染している人のツバや鼻水などを介した感染のこと。手やドアノブなどからインフルエンザウイルスが付着し、このウイルスが鼻や口、目などの粘膜に触れることで感染します。この「接触感染」についてはこまめな手洗いなどが有効です。

一方、インフルエンザに感染した人がクシャミや咳をすると、ウイルスが混じったツバなどが空中に飛び散ります。この飛沫を吸い込むことで感染するのが「飛沫感染」。通常、飛沫の飛行距離は2m程度なのですが、微粒子化した唾液の水分が蒸発するとさらに小さな「飛沫核」とよばれる超微粒子になります。この飛沫核は非常に小さくて軽いため、長い間空中にとどまり続けるという特性があります。ウイルスが空気中に漂う時間が長くなるほど室内にいる人が呼吸とともにウイルスを吸い込んで感染するリスクも高まりますが、空気清浄機があればこの浮遊ウイルスによる感染の抑制が期待できるのです。

以下はダイキンが行った「浮遊している飛沫」のわかりやすい動画です。くしゃみをすると、大きな飛沫がアーチ状に飛んで床に落ちていますが、微小な粒子は3分以上たっても空中を漂ったまま。しかも、動画では粒子が空気に乗り、くしゃみをした人から遠くに移動していることもわかります。

インフルエンザウイルス対策に欠かせないフィルター性能

高性能な空気清浄機の多くが採用しているのが「ろ過式」。これは目の細かなフィルターに室内の空気を通し、花粉やウイルス、菌などの微粒子を取り除くというシンプルな清浄方式です。フィルターは目が細かくなるほど小さな物質の除去が期待できます。ただし、目が細かくなるとフィルターが空気を通しにくくなるので風量が落ちるほか、目詰まりしやすくなるなどの問題も発生しやすくなります。

ちなみに、インフルエンザウイルスの大きさはおよそ0.1µm。スギ花粉がだいたい30µmといわれているので、ウイルスはその300分の1ほどしかありません。実際に空中を浮遊するウイルスは唾液などに包まれているため、多くの場合もう少し大きな粒子になりますが、インフルエンザ対策を念頭に空気清浄機を導入するなら少なくとも0.3µmレベルの微粒子は除去できる性能の製品を選択しましょう。よく耳にする「HEPAフィルター」は、この0.3µmサイズの粒子を99.97%捕集できるレベルのフィルターのこと(JIS規格において)。最近は0.1µmレベルの粒子も99%以上捕集する高性能なHEPAフィルター搭載空気清浄機も増えています。

以下は浮遊飛沫を吸い込んだ空気清浄機が、フィルターでしっかり微粒子を捕集している様子を可視化したものです。

性能の低いフィルターを使用した場合、フィルターをすり抜けたウイルスが空気清浄機の送風機能でむしろ遠くまで広がってしまう危険があります。空気清浄機を選ぶ場合は必ず「フィルター性能」をチェックしておきましょう。

インフルエンザウイルスをなるべく早く除去するには?

どんなに空気清浄機が高性能でも、汚れた空気がフィルターを通らなければ空気をキレイにできません。そこで重要になるのが空気清浄機の「適用畳数(適用床面積)」です。これは日本電気工業規格(JEM1467)で規定されている規格で、ここに表記される畳数が「その空気清浄機が30分で綺麗にできる空間の広さ」の目安となります。適用畳数が広いほど、部屋の空気を素早く清浄化できるため、空気中にインフルエンザウイルスが浮遊していても、感染リスクを抑えられる可能性がより高くなるのです。

たとえば、6畳の部屋で使用する場合は、適用畳数40畳の製品を使えば約6分で部屋の空気を綺麗にできる計算。同じ部屋でも適用畳数18畳の空気清浄機なら約12分かかります。ただし、適用畳数が大きい製品は本体が大きく、価格も高額になりがち。予算や設置スペースと相談しながら適切な空気清浄機を選ぶようにしましょう。

以下の動画は、約29畳の室内でくしゃみをした場合に飛沫がどう浮遊するかのシミュレーションです(30倍速)。空気清浄機がない場合は飛沫が長く空中に留まっていますが、適用畳数31畳(風量7m3/分)の空気清浄機がある部屋では、くしゃみをしたそばから飛沫が空気清浄機に吸い込まれています。適用畳数がさらに大きくなれば、より素早い飛沫の除去が期待できるでしょう。

フィルター以外のウイルス抑制機能で安心をプラス

空気清浄機は、おもにフィルターを利用してウイルスや菌を物理的に除去しますが、フィルターと平行してプラズマ放電やイオンなどを利用して有害物質の不活性化する製品も増えています。

ストリーマ放電を行う:秒速2000km相当の高速電子を放出。|衝突・合体する:高速電子が空気中の酸素や窒素と衝突・合体。|分解素を生成:大きな分解力を持つ、4種の分解素を生成。

たとえばダイキン工業のストリーマ技術なら、空気中の窒素や酸素と衝突・合体し、強い酸化分解力を持つ4種の分解素を生成します。それらの分解素がフィルターについた有害タンパク物質を分解できるのです。

実際にインフルエンザウイルスにストリーマ技術を使った実験を行ったところ、1時間で99.9%のインフルエンザウイルス(A型H1N1型)を分解・除去できました(くわしくはこちらをご確認ください。)。

空気清浄機は定期的なフィルターのメンテナンスが必要ですが、フィルターはいわば部屋中のウイルスを集めた最終地。使用状況によってはたくさんのウイルスが付着している危険性もあります。ストリーマのようなウイルスの抑制技術があれば、フィルター交換時の接触感染リスクを抑える効果も期待できるのです。

さらに、ダイキンのUV加湿ストリーマ空気清浄機なら、ストリーマだけではなくフィルターに直接紫外線を照射する機能も搭載。そのうえフィルターには抗菌素材を採用するなど、複数の菌抑制機能を採用。実際に病院でUV加湿ストリーマ空気清浄機を1か月使用したところ、菌抑制機能を搭載しない空気清浄機と比較して90%以上の菌を抑制できたという実証データもあります。

実使用空間でフィルターに捕らえられた細菌を90%以上抑制

インフルエンザ対策なら加湿機能にも注目

家庭でできるインフルエンザ対策には「湿度コントロール」も重要です。インフルエンザが冬に流行する理由のひとつが「乾燥」によるもの。空気が乾燥すると喉などの粘膜の防御機能が落ち、インフルエンザにかかりやすくなるためです。しかも、空気が乾燥すると水分の蒸発がはやくなるためウイルスが「飛沫核」に変化しやすくなります。飛沫核は長く空気中を浮遊するため、感染リスクがさらに高まります。このため、厚生労働省ではインフルエンザの予防として、室内を50~60%の湿度に保つことを推奨しています。

加湿機能を搭載した空気清浄機も選択肢のひとつに

室内を加湿する家電といえば加湿器が一般的ですが、最近は加湿機能を搭載した空気清浄機も増えています。部屋が狭く、空気清浄機と加湿器のふたつを設置するスペースがない場合はこの加湿空気清浄機を導入するのもおすすめです。さらに、ダイキン工業は加湿空気清浄機にもストリーマ技術を採用しているので、加湿する水に細菌が発生することも抑制してくれます(※定期的なお手入れは必要です)。

空気清浄機や加湿機能を活用してウイルスと戦おう!

空気清浄機は医療機器ではないため、必ずインフルエンザウイルスに効果があるとは言えません。しかし、空気清浄機を正しく選ぶことで、浮遊するインフルエンザウイルスを減らし、インフルエンザのリスクを抑えられます。自分はもちろん、家族の健康のためにもしっかりと対策をして、ウイルスと戦っていきましょう。

また、前述したようにインフルエンザウイルスの大きさは0.1μmと超微小サイズ。このサイズのウイルスを捕集できる空気清浄機なら、pm2.5をはじめとしたウイルス以外の空気の汚れにも対応できます。冬のインフルエンザ対策だけではなく、花粉や黄砂対策など一年中安心して使用できますよ。