ストリーマ研究所 空気のマメ知識 空気清浄機でウイルスを除去したい!
選び方や置き場所のポイントは?

2020年に入り、地球規模の感染症である「新型コロナウイルス」が猛威を奮っています。マスクやアルコール消毒、手洗いうがいなど、個人で感染予防をされているかと思います。

そんな中、みなさんは「自分の生活している環境の空気の汚れ」について考えたことはありますか?

空気中には花粉やウイルスなどの有害物質がたくさん浮遊しています。もちろん換気などの対策をしている方もいらっしゃるかと思いますが、それだけで十分とは言い切れません。

中には空気清浄機に期待している方も多いのはないでしょうか。

2020年度は空気清浄機の需要が高まり、出荷台数が過去最大となる見込み

日本電機工業会のまとめによると、空気清浄機の4月以降の出荷台数は前年比およそ1.6倍程度と、大きく伸びを見せています。

また、滋賀県や福岡県など、「新型コロナウイルス感染拡大防止」の名目で購入の助成金を支給している自治体もあります。

そもそも空気清浄機で除去できる物質とは?

「空気清浄機は知っているけど、どうやって空気を綺麗にしているかというところまではよく分からない…」という方もいらっしゃるかと思います。

多くの空気清浄機にはフィルターが搭載されています。メーカーによってフィルターの性能は様々ですが、空気中の汚れをフィルターで除去することにより、空気を綺麗にして循環させるのが一般的な空気清浄機の仕組みです。

フィルターの性能によって、除去できる物質は変わります。

一般的に普及しているHEPAフィルターが除去できる物質についてくわしく解説します。

HEPAフィルターとは

日本産業規格(JIS)で「定格流量で粒径が0.3µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集効率をもち、かつ、初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されています。

①花粉

春にはスギやヒノキの花粉が話題になりますが、種類によって飛散時期が異なるため、花粉は春だけではなく一年を通して空気中に飛んでいます。

花粉はおよそ30µm程度なので、HEPAフィルターで除去することが可能です。

②PM2.5

近年、中国における大気汚染が報道され社会問題となったPM2.5は、「2.5µm以下の微小粒子状物質」と定義されており、髪の毛の太さの30分の1程度の非常に小さな粒子です。

粒子の表面に様々な有害成分を吸収、吸着していることから呼吸器系、循環器系への悪影響が懸念されています。

こちらもHEPAフィルターでおおよそ除去することが可能です。

③排ガス

排ガスは、ディーゼル車から排出される有害物質です。粒子の大きさは様々ですが、花粉やPM2.5に比べると0.01µm程度と小さいため、HEPAフィルターだけでは十分除去することができません。

除去するためには、フィルターに代わる機能が必要と考えられます。

④菌・ウイルスなどの有害物質

菌のなかでもカビ菌は比較的大きく、およそ2µm~10µm程度のものが多いため、HEPAフィルターで十分除去できます。

⑤生活臭

生ごみ、ペット、タバコなどの生活臭はフィルターだけでは取り切れないので、脱臭機能(活性炭)が付いてる空気清浄機を選ぶのがおすすめです。

空気清浄機の選び方

では、空気清浄機を選ぶ時はどのような点に気を付けたらよいのでしょうか。以下、選び方のポイントを解説していきます。

フィルターの性能について

花粉対策を行いたい、タバコのニオイが気になる、ウイルスへの対応が第一…など、人によって空気清浄機を導入する目的は様々だと思います。

花粉やPM2.5など、比較的粒子の大きいものはフィルターだけで十分除去することができますが、排ガスやウイルスは粒子が小さいためフィルターだけでは不十分です。

加湿機能について

空気が乾燥すると、多くのウイルスが活性化してしまいます。また、喉などが乾燥すると身体の免疫力も下がり風邪などを引きやすくなってしまうため、加湿機能のついた空気清浄機を選ぶことをおすすめします。

しかし、寒い日に加湿をすると窓や床などに結露が発生し、そのままにしておくとカビが生える原因となってしまいます。したがって、室内の湿度を調整することも大切です。

加湿だけではなく除湿機能が付いた空気清浄機もありますので、検討してみてはいかがでしょうか。

適用畳数と吸引力について

空気清浄機には、必ず適用畳数が設定されています。基本的には「最大畳数」=「30分で空気を綺麗にできる限度の広さ」となっており、使用する場所が狭くなればなるほど空気清浄できるスピードが早くなります。

たとえば31畳まで適用の空気清浄機の場合、6畳の部屋であれば7分、10畳の部屋であれば12分と算出されます。

空気清浄機の置き場所

いざ空気清浄機を購入して使い始めたとしても、正しい場所に置いて正しく使用を行わなければ、せっかくの効果も半減してしまいます。

ここでは、空気清浄機のオススメな置き場所を解説します。

季節によって置く場所を変えるとよい

空気清浄機は「空気の通り道」に置くと良いでしょう。ただし、季節によって空気の流れが違うため、空気清浄機のポジションも変わってきます。

冬場の空気清浄機の位置

たとえば、冬場はエアコンから下に向かって暖気を吹き出し、上から吸い込みますので、エアコンと対面する場所に置くことで、効率よく空気を清浄することが可能となります。

空気清浄機を置いた方がよい部屋

空気清浄機は、人が多く集まる場所、長く滞在する場所に置くことが望ましいです。そのため、リビングや寝室に置いている方は多いのではないでしょうか。

リビングは、部屋も広く人が多く集まるため大風量の空気清浄機が望ましいでしょう。また、寝室の場合はリビングよりも狭いケースが多いので、中風量もしくは小風量の空気清浄機が望ましいと言えます。

さらに、玄関に空気清浄機を置き、家に入る前に衣服に付着した花粉を払うことで、室内に持ち込まないようにすることも大切です。そのため、玄関に置く空気清浄機を選ぶ場合はセンサーの感度の高いものがよいでしょう。サイズの大きさに関わらず、付着した有害物質を的確に除去するためにセンサーの感度が大事です。

空気清浄機を上手に活用して、菌・ウイルスなどの有害物質と戦おう!

空気清浄機で除去できる物質や、選び方・置き方のポイントについてご紹介してきました。

有害物質を除去するためには、フィルターの性能など、空気清浄機の機能をよく確認したうえで選ぶことが大切です。また、季節によって空気清浄機の置き場所を変えることで、より高い効果を発揮することもできます。

みなさんも、空気清浄機を上手に活用して、菌・ウイルスなどの有害物質と戦いましょう!