ストリーマ研究所 空気のマメ知識
カビとダニによるアレルギー。
その原因が空気中に漂っている!?
風邪を引いてないのに、くしゃみや鼻水が止まらない。そんなアレルギー症状を引き起こす主な原因となっているのがカビやダニです。カビ・ダニに関する正しい知識と、これらが引き起こすアレルギー症状、そして予防や対処についてご紹介します。
カビとダニの好みは同じ?
湿度が高い時期になると増えてくるカビやダニ。カビは湿度65%以上・室温20~25℃、ダニは湿度70%以上・室温20~25℃と、暖かくてジメジメした同じような環境を好むため、湿度の高い時期になると、カビとダニが繁殖してくるのです。
しかも、室内のダニはカビを好物としているため、カビが繁殖している場所にはダニも発生しやすいという、うれしくない相乗効果も働きます。
こうしたカビやダニのフン・死骸を吸い込むことで、アレルギー症状を引き起こすこともあるため、正しい知識と身につけて対策を行うことが重要です。アレルギーとは、外から入ってくる異物から体を守る免疫という仕組みがマイナスに作用する現象ですが、その症状はさまざまです。よく見られる症状としては、「アトピー性皮膚炎」や「ぜんそく」、「鼻炎」、「目のかゆみ」などがあります。
カビやダニの好む環境
カビの胞子は、そこら中に浮遊している?
まずは、カビについて探ってみましょう。カビは種の役割を果たす胞子と、栄養分を吸収する菌糸からなる微生物の一種です。水分と栄養があればどんどん成長し、胞子が飛散して生息範囲を広げていきます。この胞子と菌糸がアレルギーの原因物質であるアレルゲンとなります。
特にカビの胞子は非常に小さいため、空気中に浮遊しやすく、気付かないうちに皮膚に触れたり、鼻の粘膜や気管支に定着したりしやすいと言われています。
カビの種類は無数にありますが、中でもアルテナリアやトリコスポロンなどがアレルギー症状を引き起こすカビとして知られています。
ダニのフンや死骸は、少量でも要注意!
微生物のカビとは違い、ダニは節足動物です。ダニアレルギーの原因となるのは、チリダニ科のコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニで、室内にいるダニの多くがこの2種類だと言われています。
これらのダニを退治しても、フンや死骸が残っていると部屋に溜まったホコリにくっついて室内に広がり、アレルギー症状を引き起こすこともあるので油断はできません。1gのホコリに含まれるダニ(フン・死骸)の成分が、わずか10µg(100万分の10g)でも、アレルギー発症のリスクがあると言われています。ダニのフンや死骸はもちろん、ホコリもこまめに掃除するようにしましょう。
注意すべきアレルギーの疾患や症状は?
カビ・ダニ(フン・死骸)が引き起こすアレルギー症状は、鼻炎や皮膚炎、ぜんそく、目のかゆみなどさまざまです。ダニ(フン・死骸)が肌に触れることでかゆみを伴う皮膚炎を発症するほか、吸入することで発症する疾患も数多くあります。中でも典型的な疾患がアレルギー性ぜんそくです。特に小児ぜんそくの場合は、80%以上がダニアレルギーに起因するとも言われています。
カビも同様に、胞子を吸入することによって、気管支ぜんそく、さらには重症化して肺炎を引き起こす可能性があります。アレルギーや感染症は重症化するケースもあるので、気になる症状が現れたら、早めに医療機関を受診しましょう。
カビ・ダニが住みにくい家にしよう
カビ・ダニを増やさない、できるだけ減らす対策として、まずはカビ・ダニの住みにくい環境をつくることが重要です。その第一条件が、家の中の湿度を50%以下に保つことです。晴れた日には窓や押し入れ、クローゼットを開けて換気をし、除湿するように心がけましょう。
また、エアコンや空気清浄機のフィルターにもカビが生息している可能性があるので、こまめに掃除することをおすすめします。
ダニ対策で最も気をつけたいのが寝具です。布団は湿気がこもりやすく、ダニのエサとなるフケや垢が付きやすいので、定期的に丸洗いし、布団乾燥機や天日干しで乾燥させましょう。シーツや枕カバーをこまめに取り替えることも大切です。
掃除や換気を習慣化することで、カビ・ダニ(フン・死骸)の繁殖を防ぐことができます。いつも清潔で快適な環境を保つことを心がけましょう。
- カビもダニも、湿度の高いジメジメした同じような環境で繁殖する。
- カビの胞子、ダニのフンや死骸は空気中に浮遊しやすい。
- アレルギーや感染症は重症化するケースもあるので早めに医療機関へ。
- 空気の入れ替えと掃除を習慣化して、カビ・ダニの繁殖を防ぎましょう。