ストリーマ研究所 空気のマメ知識
こんなに違う! 冬風邪とインフルエンザ
予防と対策のカギは空気にあり?
風邪かなと思って受診したら、インフルエンザだったという経験がある人も多いはず。インフルエンザの感染拡大を防ぐためにも、冬の風邪とインフルエンザを見分けることは大切です。風邪とインフルエンザの違いやそれぞれの症状、対策を知って予防に努めましょう。
こんなに違う! 冬風邪とインフルエンザ
冬風邪とインフルエンザは、どちらもウイルスが原因で引き起こされますが、両者には大きな違いがあります。
冬風邪の症状といえば、咳やくしゃみ、鼻水、のどの痛みなどで、発熱しても38℃以下が一般的。市販の風邪薬を服用し、安静にしていれば、数日で治るケースがほとんどです。
しかし、インフルエンザは、38℃以上の高熱や悪寒、身体のだるさ、関節痛などの強い症状が現れます。市販の風邪薬では治りにくく、場合によっては肺炎などの合併症を引き起こすこともあるため、インフルエンザが疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
風邪 | インフルエンザ | |
---|---|---|
初期症状 | 微熱、くしゃみ、鼻水 | 寒気、頭痛、関節痛 |
発熱 | 36℃~37℃ | 38℃~40℃ |
症状の進行 | 徐々に進行 | 突然の高熱 |
流行る時期 | 一年中 | 冬だけ |
「脅威のA型ウイルス」と呼ばれるのはなぜ?
インフルエンザウイルスには、A型・B型・C型の3つがあり、なかでも特に気をつけたいのがA型インフルエンザウイルスです。このウイルスに感染すると重篤な症状を引き起こしやすく、最悪の場合、命に関わる危険性もあります。
しかも感染力が非常に強く、大流行(パンデミック)を起こすことがあり、2009年に世界中で流行した、いわゆる「新型インフルエンザ」もA型、H1N1亜型でした。A型ウイルスが脅威のウイルスと呼ばれるのは、こうした理由からです。
B型・C型インフルエンザウイルスは、A型より比較的症状が軽く、風邪とよく似た症状が現れます。
無意識に感染を広げてしまう理由とは?
インフルエンザが流行しやすい理由としては、主な感染経路が飛沫感染であることが関係しています。一般的な風邪が、触って感染する接触感染であるのに対して、飛沫感染は咳やくしゃみでウイルスが飛ばされるため、知らないうちに離れた人にも感染させてしまうのです。
さらにインフルエンザは、発症する1日前から感染力をもっていると言われています。発症をはっきりと感じる前からすでに感染しているため、無意識に人から人へと感染を拡大させてしまっているのです。
インフルエンザにかからない冬にするために
インフルエンザにかからないようにするためには、まず流行前に予防接種を受けることが重要です。インフルエンザワクチンには、発症する可能性を低くし、発症しても重症化を防ぐ効果があります。もちろん、冬風邪の予防と同様に、こまめな手洗いとうがいを習慣化することが大切なのは言うまでもありません。
また、マスクはウイルスを吸い込むのを防ぐだけではなく、冷たい空気や乾燥からのどや鼻の粘膜を守ってくれるため、上手に使いましょう。室内では湿度を高く保つようにし、こまめに換気して空気を入れ替えることも有効です。
- インフルエンザが疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 重症化し、大流行しやすいA型インフルエンザウイルスには特に注意。
- 発症前でも感染力をもっているため、無意識に感染を広げてしまう可能性がある。
- 手洗い、うがい、ワクチン接種だけなく、部屋の換気なども心がけましょう。